歌舞伎風俗通信

歌舞伎コラムです。
以前某雑誌に連載していたものの書き直し再録です。
その他いろいろうざいウンチクです。楽しんでいただけると嬉しいですー。
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# 「外郎売」について01

「外郎売」についてのあれこれ
以前あれこれ調べて、自サイトにアップしたのですが、サーバーがちょっとココロモトナイ状態ですので、
こちらに加筆しつつ、転載します。

「外郎(ういろう)」といえば現代では、ようかんに似た名古屋名産のお菓子のことだと思います。
しかし、歌舞伎の「外郎売」で売っているのは、丸薬です。
小田原に「ういろう本舗」という店があり、今でもほぼ同じものを買うことができます。

どちらが正しく「ういろう」なのか。歌舞伎では中国から伝わってきたときの様子などを得々と述べますが、
本当にセリフの通りのルーツなのか。
いろいろ調べました。


=歌舞伎の「外郎売」作品解説=

セリフの全訳です。長いので3つに分けてあります。
=全訳[1]=
=全訳[2]=
=全訳[3]=

=01:どんな商品か=          

薬の「ういろう」。ちゃんとまだ売っています。すばらしい。
店の名前は「ういろう本舗」です。
しかし商品名は「透頂香(とうちんこう)」です。「外郎売」の台詞にも出てくる別名です。
そっか、そっちの名前で売ってるのね。
この店でも「ういろう」と言えばお菓子の「ういろう」を指すようです。
お菓子の「ういろう」の横に薬の「透頂香」が置いてあるみたいです。やっぱりなんだかフシギな店です。
歴史をそのまま受け継いで現代に生き残ろうとすると、いろいろ妙な部分が出て来るんだなあ。いいなあ、かっちょええ。
電話番号調べて、直接電話してみました。

ー「昔の「透頂香」と成分同じなんですか?」
う「昔って・・・?」
ー「二代目団十郎がセリフ言ったころの」
う「・・・・・・ちょっとお待ち下さい」

若い店員さんパニック(笑)、商品の由来とかの教育はしてないようです。
ていうかイキナリ電話して質問内容がシュールすぎです自分。

代わったのは年輩の、もとい、ちょっと年かさらしいお姉さん、曰く

「成分についてははっきり言えないが、昔と同じ製法で作ってることは確か」。
ビミョウな表現。
なんか調べたとこによると、「透頂香」は数年前まで原料不足で品薄で、常連さんだけに細々売ってたそうなんですが、
ここ2、3年、また一見さんにも売るようになったようです。
たぶんですが、原料生薬の一部を代替輸入品に切り替えたのではないかと思います。想像です。
いやべつに気にしませんけど、モトが輸入品なわけだし、透頂香(笑)。

通販で買えるか聞いたんですが、「ダメ」だって。
小田原の「ういろう」さんちでしか買えないらしいです。
「ういろう」は使い方は仁丹みたいなものなのですが、薬事法的には「薬」になっているので、
対面販売しかできないのです。
サイトを作って数年、このたびの薬事法改正でネットでも買えるようになるかもしれません。

原料生薬の成分を口頭で教えていただきました。

電話で聞き取ったので漢字がわからない生薬が一部あり、不完全だった原料生薬リストですが、
投稿してくださったきゃびんさんのご協力で完全なカタチで掲載の運びとなりました。
ありがとうございます。

↓、名前と効能、

・ケイヒ(桂皮) ・・・・・・桂の木の皮から採った生薬。効能は健胃、発汗、解熱など

・チョウコウ(丁香)・・・丁子(チョウジ)とも言います。フトモモ科の木の花の蕾だそうです。
いい香りがし、健胃作用があります。吐き止め、下痢止め、腹痛にも効きます。
ちょっとしたスーパーだと香辛料の棚においてあります。

・ヒハツ(ヒ発)・・・・・・・コショウ科の植物。
サプリメントで「ヒハツエキス入り」のものが出ているようです。暖め効果だそうです。
「ひ」は「卑」の字に草かんむりだそうです。PCに入ってません、うう。

・リュウノウ(龍脳)・・・・フタバガキ科の龍脳樹という木から取った結晶です。
消炎・鎮痛作用があります。いい香りがして 殺菌防腐効果があるので、着物の防虫剤にも入ってます。

・ニンジン(人参)・・・・・・朝鮮人参の根です。時代劇なんけでもおなじみです。
効能は滋養、健胃、その他万能薬です。
「人参養栄湯」て薬は現代において肺ガンの患者さんの術後に処方されたりしています。

・シュクシャ(縮砂)・・・・カルダモン、またはその仲間らしいです。
効能は解毒、下痢止め、健胃、止痛、あたため効果もあります。

・アセン(阿仙)・・・・・・・アカシア科の植物の樹皮エキスです。
効能は口中清涼、止血です。フラボノイドが入ると聞くと納得します。

・ハッカ(薄荷)・・・・・・・薄荷です、ミントです。
発汗、健胃、鎮痛。そこそこ殺菌効果があり、ちょっとした風邪なら治るらしいです。ミントあなどるべからず。
ここには関係ないですが、薄荷を煎じた液体(つまりミントティー)は、「うるしかぶれ」に有効らしいです。

・カンゾウ(甘草)・・・・甘草です。草本体を使います。
効能は鎮痛、抗炎症、消化促進とかです。

・ホウサ(逢砂)・・・・・・何かと思いました、探しました。「硼砂」と書くのが一般的なようです。
「硼酸(=ホウ酸)ナトリウムの結晶です。
昔は目を洗ったり(刺激が強いので今はやってはいけません)ゴ××リに食わせたりするあれです。
薬効と言うより、防腐剤的に入っているのではないかと想像します。

・ジャコウ(麝香)・・・・・ジャコウ鹿の麝香腺から取った物質です(説明になっていません)。
香水の「ムスク」の原料でもあります。効果はいろいろ。とりあえず強心作用と、循環器系の分泌を調整する作用が中心みたいです。抗炎症作用もあります。  


なるほど、こんだけあれこれ入ってたらこりゃ「のど飴」じゃねえ「医薬品」ですね。



おねだん1000円3000円5000円だそうです(2007年当時)。
1000円ので169個入りです。169個ってなんだか半端ですが、13の階乗ですので、薄い平べったい板を13×13に切り分けるんだろうと想像します。


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