歌舞伎風俗通信

歌舞伎コラムです。
以前某雑誌に連載していたものの書き直し再録です。
その他いろいろうざいウンチクです。楽しんでいただけると嬉しいですー。
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# 鳴かないホトトギスについての誤解

「鳴かぬなら 殺してしまえ ほととぎす」
以下3句、
有名な3人の戦国武将の、「鳴かないホトトギス」に対する三様の態度を描写した俳句は有名ですが、
一般的に思われているシチュエーションに誤解がある気がするので、書きます。

ホトトギスを鳥かごに入れてお城の大広間に連れてきて、「さあ鳴け」。
で、鳴かないホトトギス相手に苦慮するお殿様と家来

というのが一般的なイメージかと思いますが、
これ、アンデルセンの「ナイチンゲール」からの連想でしょうか?




ホトトギスは山の鳥、戸外で聞くのが普通です。
てか戸外で聞かないと価値ありません。
しかも木の上の方に住み、木から木へ飛び渡りながら鳴きます。
鳴いている位置を特定できないあたりも神秘的でいいのです。籠なんかに入れたらああた、台無し。

夏の夜明けとか、郊外の山のふもとみたいな自然の多い場所にいると、すごく楽しいじゃないですか。
まだ薄暗くて、夏独特の新緑のいいニオイがして、少ししめった、気持ちのいい風がふいて、「ああ、風情があっていいなあ」と思ったその瞬間、
梢の上の方で、鳴くわけですよ、ホトトギス。
「あ、鳴いた」と思って振り返っても、ホトトギスの姿はなくて、有明の月があるだけ・・(百人一首)。

ホトトギスが鳴いた瞬間、初夏の景色のすばらしさが完成するというか。
だからその瞬間を体験するためだけに、昔のヒトは早起きしてわざわざ郊外に出かけたりしたのです。

ほととぎす 声待つほどは 片岡の 杜の雫に 立ちや濡れまし(紫式部)。

戦国武将というのは基本的に教養人ですから、そこで歌の一首も詠むわけです。
なのにっ!!せっかく早起きしたのに、いくら待っても鳴かないぞホトトギス、景色も雰囲気も最高なのに、なぜ鳴かない!! むぎー!! きぃいいいいいいい!!
というシチュエーションが「鳴かぬなら・・・」の句の下地だと思います。

どうも「歌を忘れたカナリヤが籠に入ってるのをどう処置すべきか」みたいな問題と混同されてる気がして、読んでて落ち着かない・・・。

チナミに「キョケッキョケッケキョ(てっぺんかけたか)」みたいな声です。
風情がある、というだけで決して美声ではない上、見てくれもしょぼいのでカゴに入れてお城の大広間に連れてきても楽しくないと思います。

連歌師や 地獄で仏 ほととぎす

江戸時代の川柳です(笑)。


関係ないですが、「和泉式部日記」とかの平安貴族の恋人同士の頻繁な歌のやりとりを見ていると、
ちょっと今の携帯メールのやりとりを思い出します。ちょっとした花や季節のアイテムを一緒に届けたりするのは、写メールのようです。
短冊持って走り回るお使いはたまったもんじゃないですが。
ていうかやりとりしている内容は断然ハイクオリティーですが(笑)。
| comments(0) | trackbacks(0) | 19:37 | category: 江戸のうざいウンチク |
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