歌舞伎風俗通信

歌舞伎コラムです。
以前某雑誌に連載していたものの書き直し再録です。
その他いろいろうざいウンチクです。楽しんでいただけると嬉しいですー。
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# 大江戸男色事情:09「いろいろ細かい用語」
 = 7: いろいろ=

あんまり関係ない内容も含まれます。思いついたことてきとう。
トピックスってことで。

近世において、公的に認められた制度ではなくても、世間的に殆ど公認され、まかり通っていた風習はいろいろありますが、非官許遊郭での売色とか。
「妾制度」もそのひとつでしょう。
まあ現代も存在しますが、大正ごろまではかなり堂々と行われていました。

ところで、平安期が「一夫多妻」と誤解され、なんだかいまだに学校でそんなこと教えてるらしいですが、いいかげんにしろですが、その実体も、
「北の方」、つまり寝殿造りの北の対に住むのが「正妻」ですよ。
あとは「お局」、つまり東の対や西の対、またはその間に作られた局に住む、文字通り「側室」です。脇の部屋に住む人。
これをひっくるめて一人の男性に対して数人の女性、なわけで、
「正妻」は常に一人です。あとは全員「妾」です。今と変わりません。
「正妻」を取り替えたいときは、今の「正妻」を離別しなければなりません。絶対です。これが、相手の親がえらかったりするとタイヘンなのよ。ほんとに今と変わりません。

そもそも「男が3日通えば結婚」というほど野蛮でもなく、それは「正式にステディな恋人になった」というだけのことで、せいぜい、「愛人契約が成立した」くらいのものです。
「結婚」は、あくまで親を通して家同士の結びつきとして行われました。
というわけで「通い婚」もウソ八百ですが、ここでは関係なさ過ぎるから割愛です。

国文学者の先生って、古典は読めても男女の関係がわかってないんだと思うんだ…。

つまり、↑全て蛇足で(すまん)、
「妾」は公然と存在しましたが、
「男が男を囲う」というのはあまりなかったようです。「男色」全盛の江戸初期であっても。
女性が男を囲うのはかなりアリでした。若後家さんとか、人気があって小金のある遊女とか。
これも戦前くらいまでそれなりにフツウでした。

同居させてどうこう、というのはさすがにまずかったようで、男のほうをどこかに囲っておいて女性の方が通ったか、遊女の場合は通って来させたようです。ドキドキ。遊女のこれを「間夫(まぶ)」と言いますよ。


「妾(めかけ)」という単語は、昔は「よそに囲っておく側室」という狭い意味ではなく、文字通り「目をかけた相手」という意味でした。
「恋人」という意味もあったようです。
そして、「目をかけた」女性は「かかぁ」にしましが、「男」は「かかぁ」にできませんから「目かけ」のままです。暗に「男の恋人」という意味合いもあったらしいです。

で、「目かけ」→「目ッ欠け」→「(片目で有名な武将)鎌倉権五郎景政(かまくらごんごろう かげまさ)」→○○は■■の「カゲマサ」だ、
というような隠語が生まれ、それが「かげま」という単語に変化した、という説があります。
どうかなあ、「かげま」、元は上方で使われていた単語なので、上方の人間が東北の「後三年の役」で活躍した権五郎景政(江戸歌舞伎の「暫」の主人公ね)にそれほど思い入れあるかなあ。ちょっとマユツバです。なら書くなですが、トピックスとしては楽しいかと(レアすぎます)。


「かげま(陰間)」はご存じのように売色する若衆のうち、舞台に出る「舞台子」「花子」以外のものを「陰にいる物」という意味で指す、ことになっていますが、実際には他にもいろいろ意味があり、
てか舞台に出てる子だって売色したんだから「売色する子」=「陰間」と呼ぶのはヘンですよねー。

遊郭で、おおきな店のかたわらで、長屋風の建物の小さな部屋で売色をしていた下級遊女がいました。時代とともに営業形態も名前も違うようなんですが、だいたい「端見世女郎」・「切見世女郎」とか「長屋女郎」とか呼ばれました、
そのなかでも、より下級なおねえさんたちを「陰間」と呼んだモヨウです。物陰の部屋ですね。
もしくは自分の部屋持ってなくてその都度借りていた、または複数で共有していたみたいな可能性もあるかなと思います。

あと、「茣蓙居(ござい)」と呼ばれるかたがたも「陰間」と呼ばれました。
やもめ暮らしの男性のところで表向き家事の世話をしつつ、主にエッチのお相手をなさったかたです。エッチなメイドさんですね(趣旨はそうだがなんだかイメージ違う)。
「陰間」という言葉の意味からすると、これらのほうがぴったり来ます。

あと、「女形(おんながた)」を「おやま」と呼ぶことについてですが、「おやま」はもともと上方の非官許の売色茶屋の遊女の俗称ですよ。官許遊郭の遊女は「おやま」とは呼ばれませんでした。
というわけで「おやま」、本来あまり上品な単語ではありません。
「売色するもの」というニュアンスすら含まれます。
「かげま」も、まあ、男の売色の世間的地位はどのへんかはおいとくとしても、ちょっと、かなり、レベルの低い売色の意味を持ちます。
もともとのニュアンスをわかった上で「おやま」「かげま」と言うのはいいんでしょうが、
いかにも「当時はこう言ってたんだよ」と専門用語っぽくこれらの単語が使われるのは、聞いていて「なんだかな」と思います。
「おんながた」「わかしゅ」で充分じゃん。
いや、いいんですけど。
 
| comments(0) | trackbacks(0) | 23:39 | category: 大江戸男色事情 |
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