歌舞伎風俗通信

歌舞伎コラムです。
以前某雑誌に連載していたものの書き直し再録です。
その他いろいろうざいウンチクです。楽しんでいただけると嬉しいですー。
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# 大江戸男色事情:08「市井の同性愛」
= 6: 市井の同性愛 =

結局、「異性愛者」にとって「同性愛者」というのは、いつの時代にも「理解不能ななにか」だと思います。正しい意味で「認知される」状態というのは考えにくいです。

ただ、数でいえば多かったろうと想像します。なぜかというと当時の大都市では、親元を離れた若い者はキホン的に「集団生活」だったからです。
職人であれ、お店(おたな)への奉公であれ、ヤクザさんであれ。
おんなの人も、商家の下働きやお屋敷への腰元奉公が多いですから集団生活です。
一人前になって男女ペアにならないと普通は独立しては住みません。

そして、結婚したくなければいつまでも「集団生活」していればいいわけです、衣食住は保証されてます。男ばっか、女ばっかで。いやん。
同性愛者があまりうるさいこと言われずに独り者でいるのはわりと簡単だったと思います。
さらに江戸は武家屋敷への「腰元奉公」のクチが多かったのですが、この中ビアン多かったろうなと思います。
前のほうに書いた中村仲蔵のお母さんが、踊りのお師匠さんだったのですが、このかたがまさにそういうかんじなのですが、長いので割愛です。

だいたいが江戸は武家屋敷だらけの街ですが、この中なんて、問答無用に「男ばっかり」。
はじめから江戸に住んでる旗本の屋敷はともかく、
諸藩からやってきている大名屋敷、
お殿様の妻子は江戸に拉致されて(違)、本国に戻れませんが、それ以外のお侍の妻女は逆に本国にしか住めません。お侍は常に単身赴任です。
ずっと独り寝。
タテマエ上、藩侍は藩邸の中のみで暮らすことになっていますから、ヘラヘラ外にガールハントにも行けません。
お殿様付きの腰元衆と近づきになれない身分の低い武士達は、「若党」、「中間(ちゅうげん)」と呼ばれる下級武士に身の回りの世話をさせつつ、男所帯で何年もくらします。

「中間(ちゅうげん)」というのは、奴(やっこ)さんとも呼ばれました。武家の下働きの男です。外歩きのお供もしました。
武士とも町人とも付かないビミョウな身分です。しかもそのへんの、今で言うプーの兄ちゃんを「臨時雇い」することが多かったので、ますます立場が不明確です。
何故臨時雇いするかというと、参勤交代で一年江戸にいたお殿様は、翌年本国に帰るからです。
江戸屋敷は空っぽになり、奴さんもいらなくなります。なので1年契約でしか雇わないのです。

その奴さんたちに至っては、思いっきり「中間部屋」で雑魚寝です。もともと荒っぽい連中な上、江戸の奉行所に対して藩邸は治外法権ですから、いろいろ事件もあったらしいです(いやまあ、賭博とかさ)。

チナミに、お行列のお供をするときの中間=奴さんのファッションは、「紺看板」と呼ばれる背中に家紋を大きく染めた短い半纏に、フンドシだけです。下半身が丸出しでした。ねらってますか?
まあ、「奴さんに至るまでカラダがいいのをそろえている」ことを見せる必要があったのですが。お武家様、一応戦闘集団だから。


だから武士も町人もそういう「集団生活」の中でいろいろ同性愛的なことは多く起きたろうし、異性愛者も現代以上になんらかの経験や知識はあったろうと思います。
集団の中で、年下の弱いモノにそっち系のがいれば「サセ子」な状態が予測されるし、よってたかってどうこうなハナシもあったでしょう。
逆に立場が強い番頭さんとかが同性愛者な場合は、セクハラな事件がいろいろとおきたに違いありません。

ただ、あの時代はセックスを非常に気軽に考えていた時代なので、女性とセックスするのも、レベルを気にしなければ(有料無料ともに)けっこう簡単だったはずです。
「相手がいないから男でもいいや」と思うほど彼らが「飢えて」いたかは定かではありません。

いずれにしても集団生活なのでプライバシーなさげですから、見聞きする機会は多かったでしょう。
で、異性愛者のお兄さんたちは「そういうのもアリ」だけど「関係ないから」で、黙認しつつ、「なかったこと」にして暮らしていたのではないかと思います。
| comments(0) | trackbacks(0) | 23:25 | category: 大江戸男色事情 |
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